Sailin'Japan / News Detail

今年7月、兵庫県西宮で行われるJ/24世界選手権。日本開催は15年ぶりだ。その前哨戦となるプレワールド(社団法人関西ヨットクラブ、日本J/24クラス協会共催)が、5月1日から5月6日(レースは5月3日より)の日程で行われた。
世界選手権への日本参加艇の予選を兼ねたこのレガッタには38艇の錚々たるセーラーが終結し、熾烈な戦いが繰り広げられた。
4日間を通して軽風そしてシフティな風でシビアなレース展開となったが、「スレッド」(兵藤和行)が終始安定したスピード感のある走りを見せ、2位以下を大きく引き離し優勝を決めた。そして、昨年の全日本の覇者「月光」(畠山知己)は、ボートスピード、タクティクスが素晴らしく、レース前半に出遅れても必ず上位でフィニッシュするレース運びで2位となった。また、今回のレガッタに充てられた世界選手権への5枚の切符は、本レガッタを制した「スレッド」をはじめ、強豪「サンタブラック」(高木裕)、「サンタグレー」(北山善夫)、昨年の全日本の後デビューした「ES右近」(井田光司)、そして、レガッタ前半大きく出遅れたものの最後に滑り込んだ「クラリス」(中野誠)が手中に収めた。

レース詳細
初日はスタート予定時刻から風が安定せず第1レースを、11時30分にスタートしたものの、風が大きく振れ、弱まったため3レグ目に入ったところでキャンセルされた。その後、北よりの安定した風が入り、コースを再設定し新たなスタートが切られた。5ノットの風が、1〜2レグ目は8ノットまであがるが、その後ダウン、風も大きく左にシフトし、3レグ目に左海面に伸ばした艇団が上位を占めた。1位は実業団マッチレースで活躍中の「チーム丸玉」(玉山貴章)。アメリカズカップ日本チャレンジ出身者で固めた「スレッド」が回航ごとに順位をあげ2位となり、「月光」が3位となった。優勝候補の一角をなす「サンタブラック」、「クラリス」「シエスタローザ」(岩出彰)はそれぞれ20位、17位、11位と出遅れた。
2日目は、南西6ノット前後の風の中、2レースが行われ、軽風でのスピードを保ちつつ、シフトを丁寧につかんだ艇が上位をしめた。3レースが終了し、「スレッド」「月光」「MANTA」(白石潤一郎)が安定した走りで上位をしめる。
3日目、前日と同様の風向風速の中、この日も2レースが行われた。2レース目は15時を過ぎていたが、この時間帯から安定した風が吹きやすいことを予測する運営陣は素早い対応でコースを作り、スタートが切られた。このレースあたりで、ようやく「サンタブラック」「サンタグレー」と「クラリス」にエンジンがかかってきたが、上位艇が安定した成績を保っているため、このレース終了時点で18位の「クラリス」は、ワールドクオリファイは非常に苦しいポジションに位置していた。
最終日、午後1時を過ぎても無風状態。実際に、もし、運営陣の諦めが早ければノーレースが掲示されてしまったかも知れない状況であった。しかし、せめてあと1レースを行いたいと思う運営陣、そしてセーラーの願いが通じたかのように、神風のような北西の風6ノットが吹き出しレースのスタートが切られた。誰もが最後のレースだろうと思われたこのレースを終えて、「スレッド」の優勝と「月光」の2位が確定した。
そして、このレースの最終レグ、待ちに待った風、北西の風が12〜15ノットにあがってきたのを見て運営陣は最終日の14時30分を回ったこの時間に、第7レースを行う意思表示、数字旗2を揚げた。
本レガッタで、質の高いレースをマネージした運営陣は、ここでも見事なまでの手さばきで最後のレースの準備を行い、スタートを切った。
4日間で初めて吹く順風の中、「サンタブラック」「サンタグレー」、「クラリス」がレースを引っ張っていく。最終レグで、サンタ2艇は右海面へそして「クラリス」は左海面へ。ここで勝敗が分かれ、「クラリス」がトップでフィニッシュラインをきり、レガッタ最終レースで中野誠選手は奇跡の大逆転でワールド出場権を獲得した。
今回は世界選手権の前哨戦となるため帆走指示書も運営も原則的に英語で行われ、運営陣の準備と手際の良さが際立った。7月の本選に向けてまずは準備は快調に進んでいる様子。世界選手権開催時には、安定したシーブリーズが吹き、外国選手も満足するレガッタとなることが期待される。 (Reported by Naoko Kimura & Photo by Nobuko Oda)
J/24ワールド2001 ホームページ http://208.55.61.92/j24worlds/index.htm
問合せ先 社団法人関西ヨットクラブ yacht@kyc.or.jp