Sailin'Japan / News Detail
23日からのスタートを前にJ/24世界選手権(主催・社団法人関西ヨットクラブ、財団法人日本セーリング連盟、国際J/24クラス協会)のウエルカムパーティが22日18時から新西宮ヨットハーバーで行われた。
この日は参加選手登録、レース艇計測とともに練習レースが行われ、最後の準備が整った後のパーティーとなり、和気あいあいの雰囲気。
チーム紹介、バーベキュー、フランダンスなどの後、この大会のために準備された花火が華々しく打ち上げらた。
一方、練習レースでは南西の風5〜7m/sの風が吹き、絶好の走り合わせとなった。
大会副実行委員長であり参加選手でもある<クラリス>の中野誠艇長によると、「国内外の上位選手の実力は横一線。ぼくらは上マークを真ん中くらいの順位で回航したんですが、トップ艇はすぐそこにいるといった感覚。
明日からは接戦続きのいいレースになりそうです」。
海外勢はアルゼンチン、豪、伊、韓国、ペルー、カナダ、バーミューダの7カ国・地域から12チームが参加。
日本勢を合わせて総勢38艇で明日から、いよいよワールド開催だ!!
7月23日、ワールド初日は絶好のセーリング日よりの中で行われた。
真っ青な晴天の下、11時スタートの第1レースは風向245度、風速5〜6m/s。
全艇ラインぎりぎりのジャストスタートでオールフェア。
しかし、このスタートが「最低だった」と言うのは<SLED>の兵頭和行スキッパー。
「下寄りだったんですが、第2列でフレッシュエアーがつかめなかった。
しかしラッキーだったのは、即タックができて、すぐにクリアエアーをつかみ右海面へ行けたことです」。
その後、徐々に左へ振れる風の中、第1上マークはフリートの中盤で回航。
「ダウンウインドは速いんです」という兵頭の言葉どおり、振れた風をつかんでジャイブしリーチング気味で下マークへ向かいつつ、徐々に前へ出る。第2上で3位に上がり、第2下でトップに立ち、最終レグも「最後までどうなるかわからなかった」という接戦を制し、<SLED>がトップでフィニッシュした。
「ラッキーも重なったが、少しずつ順位を上げていくパターンで、快心のレース」と兵頭選手は語った。
2位は<SANTA BLACK>、3位<ES UKON>、4位<HANSEIKAI>と上位を日本勢が占め、5位にオーストラリアの<SANTA MIRACLE>が入った。
つづく第2レースに勝ったのはアルゼンチンの<MAPFRE YORK>。
スキッパーのJuan Ignacio Grimaldiは、「1レース目はキールに何か引っ掛けていたようでまったくスピードが出なかった。2レース目になって風も上がり、艇速が出るとともに調子も出てきた。
心がけたのは、この水域に関する知識がまったくないので、真ん中のコースを引くようにしたこと。
右に突っ込んだり、左に伸ばしたりはしなかった。
他艇を気にせず、自分たちの走りに専念した」とレースを振り返る。地元ではもっと開けた何もない海面で走っているので、大阪湾の本船の往来の多さには「難しい海面だね」とびっくりした様子。
「目標は?」と聞くと、「もちろん優勝。でなければこんな遠くにまで来ないよ」と笑う。このレースの2位は<MAKI JR. UKON>、3位はアルゼンチンの<U2>、4位<SIESTA COSMOS>、<HM>となった。
レースは始まったばかり。結果に一喜一憂するのではなく、自分たちの走りを心がけることが、明日からのレースを面白くするだろう。
7月24日、2日目を迎えたワールドは、今日も絶好のセーリング日和りだった。
西南西5m/sの風の中スタートした第3レースに勝ったのはアルゼンチンの<MAPFRE YORK>。
第2レースにつづいて2連勝だ。昨日のレースで「ここは難しい海面だ」と言っていたスキッパーのJuan Ignacio Grimaldiは、「相変わらず、どっちの海面を選べばいいのか判然としない。それに、波と風波との方向が違い三角波が立ち、とくにダウンウインドでは走りにくい」と西宮の海は手ごわそうだ。
レースに臨んでは明確なゲームプランは立てないが、「16番(<SIESTA COSMOS>)、32番(<ES UKON>)などの地元の海を知るスピードのある艇をケアしながら走った」と言う。
このレースの第1上マーク付近は大混戦で、マーク直前では衝突も発生。下マークでもこの混戦はつづき、実力伯仲のフリートの状態そのままのレース展開だった。
2位は<SIESTA COSMOS>、3位<HANSEIKAI>、4位<SLED>、5位<MANTA>、6位<U2>(アルゼンチン)となった。
第4レースは風向235度、6m/sで14時10分にオールフェアでスタート。
上マークまでの距離1.6マイル。このレースも大混戦となり、再び第1上マーク直前で接触のケース発生。海面は騒然とし、興奮のルツボと化した。
その混乱をよそに終始トップでマークを回航し1位となったのは<ES UKON>。
同チーム、マム36他の経験者クルーをそろえているがJ/24の活動を本格的に始めたのは今年の2月に入ってから。
「第1レースでいいところを走りながら大型船のコース侵入で順位を落としたので、そのリベンジをしたかった。
プレワールドの頃から調子は上がってきており、それを証明するためにも気合が入りました」と古河浩孝スキッパー。
上の3番手でスタートし、即タッキングして右へ返したのは予定どおり。2位の<SIESTA COSMOS>、3位の<MAPFRE YORK>が左海面を狙ったのとは好対照だった。
「強豪チームが揃っていますが、いっしょに走って驚異は感じません。しかし、J/24の経験が少ないだけに、下から這い上がるにはもっと経験を積まないといけないかも」と自信と謙虚が相半ばするチームである。
2位以下は<SIESTA COSMOS>、<MAPFRE YORK>、<SANTA BLACK><SLED><MAKI JR. UKON>となった。
4つのレースを終えて徐々に上位艇が絞られてきた。明日からは中盤戦。
そろそろライバル艇を意識してレースをする時期となり、ワールドのフリートはこの猛暑以上にヒートアップしそうな勢いだ。
昨日までの第4レースを終えて、上位艇が絞られてきたかに見える。
<MAPFRE YORK>(アルゼンチン)、<SIESTA COSMOS>、<SLED><MAKI JR. UKON>、<U2>(アルゼンチン)がトップ5だ。
3日目を迎え中盤戦に入った25日は、この中からどのチームが抜け出すかに注目が集まる。
この日は1時間の風待ちをした後のスタートとなった。
220度の3〜4m/sの風、昨日より弱めだ。状況が変わると、上位の顔ぶれにも変化がおきる。
「1、2レースがあまりよくなかったので、悪かったことは忘れて楽しめるレースをしようと昨日チームで話し合っていたんです」と言うのは第5レース1位の<MANTA>の白石潤一郎スキッパー。
その言葉どおり快心のレースだった。「下寄り3分の1くらいでスタートし、最初のシフトでタック。第一線で風を捉えながら走り、最後のアプローチで上マーク2番手。第2風上レグのときも右からのシフトをつかみトップに立った。ゲームプラン通りでした」。
同チーム、今夜はすき焼きパーティーの予定。
2位以下は<MEN BEHAVING BADLY>(カナダ)、<TARKUS>(アルゼンチン)、<SANTA MIRACLE>(アルゼンチン)、<MINERVA>、<GEKKO JR.>となった。
つづく第6レース、レースフリートは大きくシフトした風に翻弄された。15時03分、260度、10ノットの風の中で始まったレースは、第3レグでいったん風がなくなった後に、風向が20度に変化。第2マークを回航し北寄りのコースを走っていた船がこの風をつかみ大きくゲインし、逆に回航後に左海面(南寄り)を走った船は大きく遅れをとることになった。
第3マークとなる上マーク付近ではスピンをあげた艇と上り気味に走る艇がミートするシーンも見られたほど。
「あの風は誰も予測できないでしょう。僕たちはラッキーでした、一時はビリかと思ったくらいですから」というのは、この混戦を制した<SLED>の兵藤和行スキッパー。今回、2度目のトップだ。第3マークを3位で回航した<SLED>は第2下マークも混戦の中3位で回航したが、14ノットに上がった北風の中、その後のコース取りがよく最後に1位に踊り出た。
兵藤は最後まで、「誰が勝っていてもおかしくないレース。ラッキーでした」を繰り返していた。
2位<CHINA TOWN>、3位<MANTA>、4位<HANSEIKAI>、5位<RIPPLE>、6位<SIESTA LILY>となった。
本日で6レースが終了し、レース成績は1レースカットで計算される。
その結果、<SLED>、<SIESTA COSMOS>、<MAPFRE YORK>がトップ3につけている。なお、文中の成績は暫定結果で表記しています。
4日目を迎えたワールドはいよいよ終盤戦。26日は第7、第8レースが行われた。
午前中はレース海面で北の風と南っ気の風がケンカして、しばらく不安定な状態がつづきスタート延期。
ようやく12時36分に250度、6〜7m/sの風の中、第7レースがスタートした。
このスタートにギリギリで間に合ったのが<TEAM KJ>。
スピンを上げて風上からまっしぐらに降りてきた同艇は、スタート号砲直前にスピンを下ろして本部船をグルリと回航し、そのままスタートとあわただしい。
しかし筒井大和スキッパーは、「はじめから上からスタートしようと話し合っていたので、慌てることはなかった」と至って冷静。
スタートして即タッキングし、左で伸びていく集団を見ながら真ん中へ返し、さらに右もケアしながら風上マークを目指した。
第1上、第1下マークはダントツ気味のトップ。
レース海面では上は250度、下は320度と異なった風向の風が吹いている。
最終レグではダントツ気味だった<TEAM KJ>に<CONVICTS REVENGE>(豪)、<SIESTA LILY>が猛追。レグ終盤では3艇がいっせいにスピンを上げてフィニッシュラインを目指す珍しいシーンとなったが、「片上りだったので抜かれることはないと安心していました」とここでもクールな筒井スキッパー。
その言葉のとおり、しっかりとトップ位置をキープして、本レース初めての1位を獲得した。
同チームはOPジュニア、学連出身のセーラーが中心の若いチーム。
「楽しんでレースしています」と、ワールドをエンジョイしているようだった。
2位には<CONVICTS REVENGE>、3位<SIESTA LILY>、4位<SANTA BLACK>、5位<SLED>、6位<RIPPLE>(豪)となった。<SLED>と総合でトップ争いをしている<MAPFRE YORK>は14位、<SIESTA COSMOS>は25位となった。
この結果、1レースをカットした通算成績は、1位<SLED>(24点)、2位<MAPFRE YORK>(36点)、3位<SIESTA COSMOS>(44点)となった。
つづく第8レースを制したのは<ES UKON>。
第4レースにつづき2度目の1位だ。古河浩孝スキッパーは、「第8レースのように安定しているといい走りができる。一番得意な風でした」と元気がいい。
しかし、「(第7レースのような)不安定な風だと思い通り走れない。
振れたり、風が落ちたりしたときの対応が悪いんですね。でもどこが経験不足かはわからないが、このあたりが壁なのかなと思います」と、勝ったにもかかわらずとても謙虚。
2位には<MAPFRE YORK>、3位<CLARIS>、4位<CONVICTS REVENGE>、5位<GEKKO JR.>、6位<REGATAS ONE>(ペルー)。
1レースカットの通算成績では1位<SLED>(36点)、2位<MAPFRE YORK>(38点)、3位<SANTA BLACK>(54点)となり、<SIESTA COSMOS>(67点)は4位に後退した。
いよいよ、残すレースはあと1つ。
2点差で競り合う<SLED>と<MAPFRE YORK>の戦いに焦点は絞られてきた。最後まで目が離せない。なお、文中の成績は暫定結果で表記しています。
7月27日、新西宮ヨットハーバーで行われていたヨットレース、J/24世界選手権(主催・社団法人関西ヨットクラブ、財団法人日本セーリング連盟、国際J/24クラス協会)で、日本の<SLED>チームが優勝した。
昨日の第8レースまでの通算成績で<SLED>と<MAPFRE YORK>(アルゼンチン)が37得点で1位に並んでいたが、本日の第9レースで<SLED>が着順3位に入って<MAPFRE YORK>を抑え優勝を確定させた、このクラスでの日本人チャンピオンは初めて。
<SLED>のチームメンバーは兵藤和行、早福和彦、中嶋一夫、笹木哲也、岡本治朗の5人。同レースは7月22日から始まり、7カ国・地域から12チームの外国チーム、そして26艇の日本チームを合わせて総勢38艇で競われていた。